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じいさん


先日、夕飯にしようと思ったら何もなかったんです。

もうどっこ探しても食料という食料が尽きていて、いやぁ僕としたことがあまりにも食に無計画だったァと反省しつつも、まぁまぁ、長期休暇で頭が狂ってるし、ここはひとつよしとしたんですがそんなん納得したところで食料は出て来ません。

で、今から買い物に行って食料調達して食べて洗い物してーっていうのは、どうもその時の気分にアゲインストだったんで、んじゃいっちょ外食でもするかって思ったんです。

さぁどこ行こうかなと。またひとりファミレスでもかましてやろうかなと。

そうそう余談なんですけどね、ひとりでファミレスっておそらく皆さんが思ってるより遥かに魅力的なものなんですよ。

ファミリーレストラン略してファミレスで、「ファミリー」って付くぐらいだからひとりで訪れる客なんてのは極めてイレギュラーなわけじゃないですか。

しかも僕のところは大学近所でもうなんか出来立てほやほやのカップルみたいなのとか、今にも破局寸前で「別れよう」と言い出しそうな修羅場に立たされてるカップルとか、よっしゃいまからセックスしたるぜーと言わんばかりに大胆とイチャついてるカップルとか、そういう連中ばっかりなんですわ。

その中にですよ、その中にですよ、ひとりポツンと4人がけの席を堂々と占領してる僕ですよ。

ひとりファミレスのコツはいかに悲壮感と哀愁を漂わせるかがミソであって、そのオーラが凄まじければ凄まじいほど店員には目をつけられ、他の客には「うわーかわいそう」とかコソコソ言われる。それを察して「お!俺今注目されてんな!」って気分になるのが本当に楽しい。

言うなれば、そのへんのガヤガヤ騒いでる連中とは一味違う大人な雰囲気。まるで西部劇に登場するような酒場でひとり酒を飲むカウボーイのように。「こいつはタダモンじゃねえ」と思わせる異端な存在。マジ憧れるね。

おっと、話が脱線しまくってた。

で、よっしゃ今回もひとりファミレスやったるでーと意気込んでいざ愛機シャイニングガンダム(自転車の名前)に乗って向かったわけなんですけどね、僕のマンションのすぐ近くにある古い寂れたお好み焼き屋さんに目がついたんです。外出するときは毎回必ず目にするお好み焼き屋さん。

あーまぁ、ここ引っ越してきてから一度も行ってないし、言われてみればお好み焼きの気分っちゃ気分かなと思ってひとまずシャイニングガンダムにブレーキかけたわけですわ。

で、中に入ったんスよ。

そしたらあらあらガラガラじゃないですか。客が人っ子ひとり見当たらない。

どうやら年老いた夫婦で営んでいるらしく、チェーン店とかそういう類じゃなくてあくまで個人営業の店だったんです。

ひゃーこりゃ毎月赤字フェスティバルで大変ですなぁと思いつつも席に座ったら、なんか旦那のじいさんのほうが

「よぁ!兄ちゃん!」

とかいきなり馴れ馴れしく僕の隣に座ってきてですねぇ。ええそりゃもう「一杯付き合えや」と遠まわしに言ってるように聞こえて図々しい極まりない。得意げな顔して「わしゃ戦争でな」みたいな戦争経験の話とかされそうな、そんな武勇伝語りがいまにも始まりそうな雰囲気。

帰りたい帰りたいと思いつつもここまでひっ捕らえられたらまず逃げられませんし、まぁ諦めて注文するかと思ってメニューみたんですけど

お好み焼きがない。

あれおかしいなぁ。看板には「お好み焼き」って文字があるのに、ご親切にわざわざ「おこのみやき」とふりがなまで書いてるに

お好み焼きがない。どうなってやがる。ここは何屋だ。

帰りたい。せめて、お好み焼きを食べに来たんだからお望みどおりお好み焼きを食わせて欲しかったわこのボケが。

なんて言う勇気はなく、しくしく「これ」ってメニュー指さして焼きそば頼んだんです。しかも630円。100円が6枚と10円が3枚で630円。僕にとっては二回分の食費です。まぁでもそれなりの味を出してくれるだろうと期待して。

で、奥さんに注文して焼きそばが出来るまで暇じゃないですか。何もやることないじゃないですか。ジジイに話しかけられるじゃないですか。はぁもう帰りたい。

「兄ちゃん、いくつや」

「えっと、18です」

って言ったら「ドゥハハハハハ!」みたいなデーモン小暮閣下ばりの笑い声あげてジジイ言ったんです。

「女はかわいそうな生き物だわい」

意味がわかりません。いったい僕の年齢カミングアウトからどういう角度で話を辿れば女の話になるのかいまいち理解できない。そしたら


「男はセックスしてなんぼやで」


とか言ったんです。あのですね、僕に対する嫌味ですかね。いくら18歳とはいえ、世間一般論ではお盛んなお年ごろとは言え、僕童貞ですからね。


「いやあの僕そういうのはちょ…」

「男は好きなだけ腰ふるんや、好きなだけ女捕まえてさぁ」


人の話を聞きません。まぁ性欲の秋って言うし年食ったジジイも少しは盛んになってもおかしくないなぁと思った途端、いきなり話変わって


「わしゃな若い頃、喧嘩じゃ負け知らずじゃった」


はぁ出ました出ました、じいさんお得意の武勇伝披露会。はいはい、どんな武勇伝を聞かせてくれるのかなと呆れつつも期待してたんですけど


「電柱を運んだことがある。片手で」


明らかにウソです。おまえは鉄腕アトムか。

冷静に突っ込んでるけど、じいさんさっきから話のつなぎがほんと意味不明で全然ついて行けない。

んでその後もじいさんの100%捏造武勇伝を5分ほど語って頂いてもう呆れてたんですけど、ここで焼きそば登場したんです。さぁどんなもんかと味見したら

ありえない。まずい。なんだこれは。焼きそばのやの字も感じられない、そもそも麺類にカテゴライズされていいのかすらわからないこの味、

630円。

泣きたい気持ちを抑えつつもさっさと帰ろうと思って光の速さでバクバクと食べてたら、じいさんが口ポカンと開けてうちわパタパタさせながら


「膣外射精じゃ」


とか言ったんです。一生懸命食べてたのに「ブホッ!」とか言って半分ぐらい吹き出しちゃいましたよ。なにいきなり膣外射精って。

だいたい食事中に下ネタはタブーだと思うんですがね。ええさすがの僕でも食事中は遠慮しますわ。

そしたらさらに


「sぎゃhkなもぷぎぃhjふぁさおkjふぁお」


もう何言ってるのかさっぱりわかりません。したらばあさんが


「お父さんったら、もう若くないんだからやめときんしゃいね」


みたいなこと言って。

やっぱすげえな夫婦って、何語しゃべっても完璧に意思疎通ができてるよ。

これ以降じいさんはずっとポルトガル語と日本語の中間みたいな言語で話してて、んでばあさんが日本語で返して、というあまりにも滑稽極まりない空間に吸い込まれそうになったのですが、いやいやここは早く脱出しないとと思って超特急で焼きそば平らげて会計したんです、630円。

んでじゃぁバイバイって店でていこうと思ったら最後にじいさんが日本語で言ったんです。



「セックスしてなんぼじゃけんのー」



もうぜってー行かねーからなこんな店

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