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さちこ

「さちこ」

この3文字の名前から思い浮かぶのは、おそらく一般人なら学生時代同じクラスだったさちこちゃんだとか、初恋のさちこちゃんだとか、初めての彼女だったさちこちゃんだとか、初めてかと思いきやおまんこのビラビラが真っ黒だったさちこちゃんだとか、そんなところだと思う。お茶の間の爺婆の場合は、去年紅白からリストラされた小林幸子を思い浮かべて「ええい!N◯Kは打ち首じゃ!」なんて決して穏やかではない想像に駆られるのかもしれませんが、僕にとって「さちこ」というのは少し特別な人間です。

すべては携帯電話から始まりました。

高校に入学して間もない頃、僕は携帯電話を手にしました。僕はゆとり世代なので中学時代には既に過半数の人間が所持していました。なんとなく彼らに一歩先を行かれている感じがしたゆえに、携帯電話所持組には強いあこがれを持っていたのです。

そんな僕がようやく手に入れた携帯電話。機種はスライド型のAQUOSケータイ。これを手にするだけでなんとなく大人の階段を一歩昇ったような気さえ覚えていました。なんというか、この年頃特有の大人に近づきたい症候群の発症期だったのでしょうね。誰もが通る道です。

ある夜、僕はお風呂上りにケータイをイジっていました。特にパケ放題も契約していないのでネットには繋げられないのですが、とにかく大人たちが至る所でケータイを操作しているあの姿に憧れてイジイジ。ネットはダメだからケータイの内蔵辞書で「SEX」とか「フェラ」とか調べていて、「フェラ」じゃ出てこないから「フェラチオ」で調べたり、そんな淫語探索大会をひとり繰り広げていた時です。

ブルルルルルルルル ブルルルルルルルルル

急に見知らぬ番号から電話がかかってきた。

うーむ。実に不気味である。まだ携帯を買って間もないのに、まだ家族以外ほとんど番号なんて教えていないのに、一体誰なのだろう。

少しビビりながらも電話に出てみた。


「もしもし?」


「…。…。…………。」


「あのー?もしもし?」

「…………………………。」

「きーこーえーまーすーかー?」

「……………。ガチャッ」



切れた。怖い。なんだコイツ。怖い。やばい。

いやマジ怖いっすよ。そりゃイタ電なんでしょうけど、なんでよりによってケータイ買って数日もしてない僕にかかってくるんでしょう。なんか幽霊というか、非科学的な要素を含んでそうでゾッとします。もう僕怖くて怖くて「きーこーえーまーすーか?」と耳の遠いジジイに語りかけるように言ってしまいました。

数分もしないうちにCメールが来た。以下本文。


「!?」


皆さん、Cメールはご存知だろうか。au独自のメール機能らしく、世間一般ではほぼ使われていないようだが、Eメールがインターネットを通して送るメールだとしたら、Cメールは電話回線を通して送るメールのことです。ゆえに電話番号さえわかれば送ることが可能なのです。ただ簡易メールの扱いなので件名とか改行とか細かいことはできません。メッセージを送るだけです。そう。今回は件名もなく「!?」という2文字だけが送られてきたのです。

なんだか相手はビックリしてる様子ですが、ビックリしてるのはこっちですからね。いきなり電話してきて終始無言で「!?」って相当ヤバイっすよ。

もう僕もどうしたら良いのかわからないので正直に「どちら様ですか?」って送り返しました。いや、正確に言うと「すまん、どちら?」とちょっとだけ余裕を見せる感じで。

そしたら


「ウケるし^_^さちこだょ^0^」


と、なんかどうぶつ奇想天外みたいな返信してきてですね。なにがウケるのか全然わかんないけど、どうやら彼女はさちこという人物らしい。

はっきり言って、僕はこの人生で「さちこ」という名前の女の子には一切縁がない。というか女の子に縁がない。なんせ僕童貞ですから。

いやそういう話はさておき、こんな特大のボケをかませられたらどう返事したらいいのか困る。なに?一体さちことやらは何を望んでいるのだろうか?改めて僕はメールというキャッチボールの難しさを実感した。

返信に時間が空いてもなんかアレなのであまり考えずに送った。


「おお!!さちこやないか!!元気しとったか!?いやぁ久しぶりやなぁ!!おまえ誰!?」



ボケはボケで返す。これは基本だ。それにちゃんと最後に「だれ?」と聞いてるところがジャック2号の用心深さが伺える。ふふ、さぁどう返してくる!?正体をさらけ出せ!


「さちこ知ってるの!?七城やし^0^」


いや知らないから!

ヤバイっすよこの人。相当手強いっすよ。なに七城って。城が7つあるんですか。まさかそこにボスでもいて7つの城を攻略しないと正体を教えてくれないとかそんなんですか。

いやいや、これはまた返信に困った。しばらく考えて、さちこの支離滅裂な返信っぷりから見るに僕の負け試合のような気がしてならなかったので正直にこう送りつけました。


「すいません、本当にどちらさまでしょうか?」



もうここまでストレートに聞けば大丈夫だろう。このレベルの日本語ならば日本語初級の外国人の方々でも理解できるはずだ。さぁどう来る。


「電話してみれば?^o^」


いちいち顔文字がウザいけど、まぁ最もな気がしてきた。ここでメールでやり取りしても、不毛すぎてどこにもたどり着けないような気はする。僕は迷わず電話した。

プルルルルル、プルルルル


「もしもしー?」

「…………」

「もしもしー?」

「………………。」

「おーい」

「…………し。…ガチャ」



なめてんのか。しってなんだよ。本当にわけの分からんやつだ。

数秒後、メールが来た。


「誰!?意味不明ToT」



俺が今考えてたことをそのまま送りつけてやがった。こいつぁすげえぜ。

諦めきれずもう一度メールしました。


「ほんと誰ですか。どこから僕の電話番号知ったんですか」



って送ったら


「さちこやし!誰誰うるさいねん!」



と、逆ギレされてしまいましたが念のためもうひと押ししときます。


「電話番号間違ってるんじゃないんですか?」


って送ったら


「うるさい!誰でもいいやん!」




はい、もうひと押しー!はい、もうひと押しー!


「誰!?誰!?誰!?誰!?誰!?誰!?誰!?誰!?誰!?誰!?誰!?」


「聞くな」


って3文字が返ってきたんですよ。えなに聞くなって。どういうことっすか。聞きたくてたまんないっすよ。

そしたらさちこからメールが来て


「気になる先輩いてね^3^彼氏ほしんやけど^3^」



だからいちいち顔文字がウザいんですけど、どうやらこれが本題らしい。ほんとどこで僕の電話番号を入手したかは不明ですが。

まぁなんとなく悩んでるようだから、仏のジャック2号は迷わず相談に乗ってあげます。


「わかった。詳しく教えてみなよ。」



「電話いいよ☆」


お前いいっつったな?今電話いいっつったな?かけるからな?


プルルルルルルル プルルルルルル



「もしもしー?」


「も…し…し…?」



なんだか物凄く小声で自信の無さそうな若い女性の声だった。この声を聞いた瞬間、これまでの奇行の数々が何となく察することが出来た。彼女はおそらく悩みに悩んで精神的に少し病んでいるのかもしれない。僕はそう思った。


「どうしたん?先輩がどうこう言ってたやろ?」


「うん…グスン…グスン…」



な、泣いている!?こいつは乙女か。

そしたらいきなり


「なんでヤらないと赤ちゃんできないの…」



と、爆弾発言をしまして。なんというか、どうやらこの支離滅裂っぷりはメールだけでなく通常の会話でも健在のようです。

でもねアンタ、俺がどんな人間か知らなかったのかが運の尽き。そんな下劣な言葉を発した以上、悪いが容赦はしない。


「ヤるってぇ~?何を~?何をやるの~?」


「えっ、あのその……せ……」


「はぇ~~??な~~に~~~?」


「だから…せ……っ…ス」


「うぇ~~~??もっと~~?大きな声で~~??」


「せ……す」


「はっきりと~~~~~~~???」


「せっくす……せっくす!!!!


セクハラもいいところなんですけど、最後には自信持って「SEX!」といいましたからね。しかも2回も。半自主的なので僕に罪はありませんNE。ツイッターやニコ生のセクハラ癖のルーツはこれにあるのかもしれません。

そしたら


「ありがと…」



とかいきなり感謝されたので僕ビビったんですけど、本題の先輩が気になるとか彼氏とかを聞いてませんでした。


「んで相談って何よ」

「ううん、もういいの。」

「え!?」

「いいの、さちこ楽しかった!」

「は!?」

「ありがとう!バイバイ!SEX! ガチャッ」


と、なんか呪いをかけられた妖怪が人間に戻るときのような言いぐさで電話切られたんですけど、いやホント不思議な人でしたよ。そんでなに最後のSEXは。

数分後

「これ、アドレス!いつでもメールして!」


みたいな感じでEメールのアドレス渡されて以来音沙汰がない。


あれから早4年近く経とうとしているが、彼女は元気にしているだろうか。

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